平成30年度


舞囃子

能はおよそ700年前から奈良の各地で発祥し、京都の室町文化でなお一層開花した、日本を誇る伝統工芸です。


佐保会にご縁のある 長山耕三師はじめ関西でも第一線でご活躍の能楽師の方々にお越しいただきました。




長山 耕三 師
1973年生まれ。 
観世喜之師・長山禮三郎(父)師に師事。
四歳、初舞台の仕舞 『玄象』を勤める。
以後、故・八世観世銕之亟師、観世栄夫師、
観世喜之師、父などの子方(子役)計三十数番を勤め、
平成十二年 御宗家(清和師)より流儀準職分を認定される。
「石橋」「猩々乱」「道成寺」等を披く。
公益社団法人能楽協会会員.
重要無形文化財総合指定認定保持者。
※Facebook「芦屋能舞台」にて活動報告。  

019年5月4日(土)、大槻能楽堂にて、
須磨を題材にした、名曲「松風」を演能予定
独鼓 「賀茂」

囃子 「神舞」



中田 弘美 師


囃子の楽器についてのお話


能楽の囃子では、


笛・小鼓・大鼓・太鼓の四種の楽器(四拍子しびようし)を


用います。


それぞれの楽器について、


とても分かりやすくご説明いただきました。


金春流太鼓方、日本能楽会会員

重要無形文化財総合指定保持者
奈良女の観世会サークル指導



井 要佑 師


笛方 森田流

舞台上、唯一の旋律楽器で、


その音色は、西洋の笛や他の日本の笛とも大きく違います。


同じ穴を押さえてもいろんな音が出て、


通常の音階を外れる音に なります。


1本の笛によって音の高さも違う、個性的な楽器です。


能独特の音色や力強い演奏が可能となっています。



清水 皓祐 師


小鼓方 大倉流 
小鼓

小鼓の革は、馬の皮。適度な湿気が必要なため、


演奏する当日の天候や場の湿度によって音が変わります。


演奏に息をかけたりして調整すす必要があります。


中央がくびれた形に造られた胴は桜の木を用いて、


調べ緒といわれる麻の紐で組み上げ演奏します。


左手で持ち、右肩に載せ、右手で打ちます。


その際、左手の握り具合を変える事により、


様々な音色を出す事できます。


右側が小鼓。

その馬の皮は、湿気を好み、長年使える耐久性のあるものです。


また、小鼓の調べ緒は比較的緩く締められています。


左側が大鼓。

小鼓よりもひとまわり大きく、調べ緒はきつく締め上げられています。


過酷な扱いを繰り返すことになるため、革自体は十数回の使用で寿命
を迎えます。


この両者は、とても対照的です。



上野 義雄 師


大鼓方 大倉流
大鼓

大鼓の革も小鼓と同じ馬皮。

かなり分厚い皮が使われています。


この革は湿気が少しでも残っていると、


澄み切った甲高い音は鳴りません。


演奏前には火であぶっておく必要があります。


演奏の際、手が腫れ上がるほどの硬さのため、


プロテクターを着用して演奏されています。



中田 弘美 師


太鼓方 金春流
太鼓


革は牛皮。表革中央の小さい円型部分は鹿の皮が


貼り付けられており、“ばち皮”といい、


ここの上を打って音を出します。


大概一曲の後半部分、いよいよ正体を明かし


天仙怪物の類が登場する場面に多く演奏し、


舞楽を盛り立てる際には欠くことの出来ない打楽器です。





「船弁慶」あらすじ


平家追討に功績をあげた源義経でしたが、頼朝に疑惑を持たれ、


鎌倉方から追われる身となります。


義経は、弁慶忠実な従者とともに西国へ逃れようと、摂津国大物浦へ到着しました。


船が海上に出るや否や、突然暴風雨に見舞われ、


波の上に壇ノ浦で滅亡した平家一門の亡霊が姿を現しました。


中でも総大将であった平知盛の怨霊は、是が非でも義経を海底に沈めようと


長刀を振りかざして襲い掛かります。


義経は太刀を抜き、弁慶は数珠をもみ、必死に五大尊明王に祈祷します。


その祈りの力によって、怨霊は調伏されて彼方の沖に消え、白波ばかりが残りました。





シテ
長山 耕三 師


地謡
上野 雄介 師
伊原 昇 師


花束贈呈


支部長からのお礼の言葉


司会進行


角野 京子 さん